【シルクソング】尖り切った最高峰2Dアクションの到達点【レビュー】

あすか

こんにちは、あすかです!

今回は『ホロウナイト:シルクソング』を真エンディングまでクリアしたので、その感想とレビューになります。

まず率直な感想から言うと……いや〜難しかった(笑)めちゃくちゃ面白かったんですが、私のゲーム史上でもトップクラスの難易度でした。

個人的には非常に満足いく神ゲーといっていい出来だったのですが、9月14日現在のSteam日本語レビューでは“賛否両論”という評価が付いています。しかし、それも確かに理解できます。

というのも本作、ストレスポイントがとっても多いんです。私の最終満足度も94点と高めですが、その内訳をざっくり言うならボス戦を含むアクション面が150点システム面の不満でマイナス60点といった感じになります。

そしてここが重要なんですけど、その異常な高難易度からアクションを楽しめるかどうかはプレイヤーの腕前によって可変になりますが、システム面の不満はおそらくほとんどの人が感じる不変のマイナスポイントなんですよね。

そのため、私はアクション好きだからこそトータルで楽しめましたが、苦手な人にとっては明らかにストレスの方が勝ると思います。

前作が2Dソウルライクアクションの名作として高く評価されていることもあり、「2025年ついに完全新作の神ゲー登場!」という空気感がありましたが、実際は万人におすすめできる作品ではなく、「アクションが得意な一部のゲーマー向けに尖らせた作品」という印象でした。

あすか

ちなみに私は2Dアクションをやり過ぎていて感覚が麻痺している可能性があるので、本記事の感想はあくまで一意見として参考にしていただければと思います。

あすかの総合評価
満足度:94
ストーリー・キャラ
世界観・デザイン
システム・UI
サウンド・BGM
アクションの楽しさ
ボリューム・やりこみ
プレイハードPS5
クリア時間20時間(通常) 37時間(真エンド)

本記事は9/16時点の記事なので、記事内で書く内容はアプデにより変更されている可能性があります。

目次

作品概要

メーカーTeam Cherry
発売日2025年9月4日
ジャンル2Dアクション、メトロイドヴァニア、ソウルライク
対応機種Nintendo Switch / PlayStation / Steam / Xbox

2019年に発売された2Dアクションの名作『ホロウナイト』の正統続編です。

ゲームの基本的なスタイルは前作から大きく変わらず、上下左右へと広がる広大なマップを探索しながら、新しいスキルや装備を獲得し、数々の強力なボスへ挑む、いわゆるメトロイドヴァニア系の死ゲーと言える作品となっています。

本作はもともと前作のDLCとして開発されていたという背景もあり、前作クリアまでがチュートリアルと言われるほどの非常に高い難易度を誇っています。

ストーリー面では、前作で敵キャラクターとして登場したホーネットが主人公に抜擢され、崩壊したムシの王国“ファールーム”を旅することになります。

物語は前作とも一定のつながりがあり、ホーネットの出生の秘密や王国の謎を解き明かしていく展開になっています。

ただし、そのストーリーは前作に続き難解です。正直、私自身は理解できたとは言い難いので、今回の記事では物語の解釈には深入りせず、あくまで「アクションゲームとしての体験・評価」に焦点を当てて書いていきます。

ストーリーも理解できればエモい・・・はず

脳汁溢れる最高のボス戦

前作からさらに進化を遂げたアクションのボス戦は、もうめっちゃくちゃに楽しいです。手汗をかきながらギリッギリでボスを倒したときなど、まさに脳汁が溢れるという言葉がぴったり。

数多くの2Dアクションを遊んできましたが、やはりホロウナイトはその中でも操作感が抜群に良いです。

攻撃・ジャンプ・回避といった一つひとつのアクションが直感的かつダイレクトにキャラへ反映され、操作していてシンプルに気持ちが良いんですよね。

特にボス戦の完成度は素晴らしく、苛烈な攻撃をかわしては斬り、またかわしては斬る。そのシンプルな繰り返しは極限まで集中力を高め、集中極まりゾーンに入った瞬間はまるでリズムゲームをしているかのような深い没入感を味わえます。

また、多くのボスが形態変化を見せるのですが、第二形態以降も第一段階の行動をベースに進化していく作りになっているのも秀逸です。積み重ねた経験が無駄にならないため、「死んで学んだこと」が確実に活きてきます。

このデザインが悪いゲームだと、たまたま運良く一回倒せても再現性がありませんが、本作は一度突破できれば3回に1回くらいは勝てるようになるーーそんな再現性の高さがゲームデザインの素晴らしさを物語っています。

あすか

こうした「敗北が経験値になる」デザインは、まさに『ホロウナイト』の真骨頂!

一方で、中盤までのボスは雑に体当たりしてくる虫や飛び回る鬱陶しい虫を取り巻きとして召喚する「数の暴力を押し付けるタイプのボス」が多く、これに関してはあまり従来のホロウナイトらしい楽しさを感じませんでした。

みんなのトラウマ「オオケモノバエ」

また、いわゆる雑魚ラッシュ部屋とも呼ばれる、複数の雑魚の群れをひたすら処理し続けるエリアも楽しいとはあまり思えず。

しかし終盤に現れるボスたちは、正面から純粋にプレイヤースキルを試してくるような神ボスたちが立ちはだかり、それまでのフラストレーションを吹き飛ばす最高のアクション体験が待っています。

あすか

「これだよ、これこそ俺たちの求めていたシルクソングだ!」と心から叫びたくなりましたね!

不満の多いシステム面

ここからは不満点になります。

プレイ中に強く感じた不満点は大きく分けて3つ。

1.ベンチの少なさ(リトライ性の悪さ)

これはプレイした人の大半が感じる部分だと思います。前作でも言われていたことですが、広大なマップに対してベンチの数が圧倒的に少ないです。

本作は探索要素が豊富なので、あえて密度を下げているのだとは思いますが、ファストトラベルも前作同様に駅同士のみでしか利用できず、道中で気軽にワープするようなシステムも存在しません。

それだけならまだ許容できますが、最大の問題は、ボス戦付近にベンチが配置されていないことこれで心折れる人も多いと思います。

死にゲーにおいて、復帰ポイントがボス部屋から30秒以上離れているのは現代のゲーム体験としては致命的です。

さらに一部の極悪マップでは最短復帰ポイントがボス部屋まで1分近くかかる距離にあり、しかもその道中には毒沼や雑魚敵、アスレチックがびっしり

挑戦する前に体力を削られ、ボス部屋に辿り着いた時点でHPが残り1や2になっていることもあります。結果、入室して数秒でやられる・・そんな悪循環を下手したら何度も繰り返すことになります。

テメーだよ

ボス戦で死ぬたびにそれら全てを乗り越えてからでないと挑戦すらできないのは本ッッッ当にストレス溜まりました。

あすか

これを「楽しい!やりがいある!」と感じる人存在するのか?

せっかくボス戦自体は手に汗握る緊張感に満ちた素晴らしい作りなのに、その面白さを台無しにしてしまうデザインには首をかしげざるを得ませんでした。

ベンチの数は100歩譲っていいとしても、せめてボス戦だけは直前からリトライできる仕様にすべきだったのではないかと強く思っています。

2.序盤のHPの少なさと一部の雑魚敵

次に挙げたいのは、序盤のHPバランスと一部の雑魚敵の理不尽さです。

本作の初期HPはわずか5。しかもこれを増やすにはかなり時間がかかり、5から6に上げられるのは中盤頃になります。

カケラを4つ揃えることによりHPアップ

そのため序盤はずっとHP5で頑張らないといけないのですが、序盤から平気で2ダメージ攻撃を繰り出してきます。

特にトゲや罠などアスレチック要素のダメージがすべて2に設定されている上に、いやらしい位置に配置されていることが多く、序盤の異常な難易度に拍車をかけています。

そして、ようやく中盤でHPが6になっても、結局2ダメを受けるボス戦では死亡確定被弾数は3のまま変わらず恩恵をあまり感じません。

個人的には、初期HPを6にして中盤で7になるくらいの設計であれば、確定被弾数も変わり、プレイヤーにとっても理不尽感が減ったのではないかと思います。

さらに厄介なのが飛行する雑魚敵の多さ。AIが妙に賢く、こちらが攻撃するとバックダッシュで逃げる、距離を取りながら引き撃ちしてくる……といった挙動が標準で組み込まれており、爽快感よりもストレスの方が勝ってしまいました。

飛行系の雑魚がいやらしすぎる

加えて、ボス戦の前哨戦として雑魚敵のラッシュを挟んでくるのも不満です。

死にゲーの醍醐味は「強敵ボスに何度もリトライして攻略法を掴むこと」にあるのに、ストレスのたまる雑魚敵の群れと毎回戦わされるのはテンポを大きく損ねていました。

3.ビルドの不自由化

前作からの進化要素として「クレスト」という仕組みが追加されています。これを変更することで攻撃パターンや装備可能なアクセサリーの種類が変化するというものですが……正直、個人的にはあまり機能していなかったと感じました。

収奪者の圧倒的使いやすさ

というのも、ボス戦に応じてクレストを切り替えて攻略法を工夫するような設計にはなっておらず、大半のクレストは実質“死に要素”となってしまっています。

あすか

敵との接触ダメージでHPの3分の1が持っていかれるようなゲームで、リーチの短い武器なんて縛りプレイ以外で選ぶ人いる?

結局、ほとんどのプレイヤーは使い勝手の良いクレストを一つ見つけたら、そのまま最後まで使い続けてしまうのではないでしょうか。

また、アクセサリーの仕様も前作ではコスト制で組み合わせ自由だったのに対し、今作ではの3色に分類され、それぞれの色の枠内でしか付け替えができなくなりました。

基本は赤青黄それぞれ2つずつ

この制限のせいでビルドの自由度は大幅に低下し、各色に2枠しかない中で必須級のアクセサリーに枠を取られてしまい、新しく入手したアクセサリーを試す余地すらなくなる場面が多かったです。

あすか

一番の不満は黄色のコンパス、おまえだよ!前作に続き「マップ上に自分の位置を表示するだけ」の機能なのに、なぜこれに貴重な1枠を割かないといけないのか、理解できない!

他に、必殺技にあたるシルク技もゲージが回復と共用になっているため、雑魚はともかく、ボス戦では「1回でも多く回復に回したい」という心理が働き、結局温存してしまうことがほとんどでした。

せっかくの必殺技なのに使う機会が減ってしまい、死にゲーとしての設計と齟齬を感じました。

全体的に、ビルド周りは前作の作りの方が好みでしたね。

しかし!!

ここまで不満をいくつも抱えつつ通常エンドまでクリアしたのですが――真エンドに到達する第3章では、それらの不満を一気に吹き飛ばすような最高の体験が待っていました。

まず移動面のストレスが劇的に改善されます。どこからでも駅に帰還できる旋律を入手できるようになり、探索の帰り道を気にせずマップの端まで気軽に行くことが可能に。

さらに、第3章で新たに手に入る移動スキル(詳細はネタバレ防止のため伏せます)が加わることで、さらに快適に移動できるようになった探索は非常に面白く、未踏破エリアやクエストのための探索は全く苦じゃなくなります。

それまで横切るだけでも時間がかかっていた道中が、移動スキルが揃った途端にショートカットだらけに変貌するような作りは、メトロイドヴァニアの醍醐味ですよね。

そして本領を発揮するのが、第3章からのボス戦です。控えめに言っても、めっっっっちゃくちゃ楽しい!!

もし「シルクソングのボス戦ベスト5」を挙げるなら、全て第3章のボスで埋まると言えるほどの差があります。

前作ホロウナイトでは強敵との手に汗握るタイマンが多く、それが多くのプレイヤーに評価されていた点でもありました。

しかし今作では通常エンドまでのボスは「数の暴力」で攻めてくるタイプが多く、正直そこまで「最高に楽しい!」と感じる戦いは少なめでした。

ところが、第3章から登場するボスは一転して、手に汗握る神ボスぞろいで、思わず「これだよ、これがやりたかったやつ!!」と叫びたくなるレベルのバトルが続き、ここで私の中で作品全体への評価が爆上がりしました。

結果として、通常エンドで終えてしまえば「ストレス要素が多くハードルを上げすぎてしまった作品」となりかねませんでしたが、第3章をプレイすることで一転、大満足で終えることができました。

正直、本作が面白かったと胸を張って言えるのは、この第3章以降の存在があったからです。

ただし、冒頭でも触れた通り、そこに辿り着くまでにも高いプレイヤースキルが要求され、さらに第3章以降のボスは本当に難易度がエグく、楽しみ尽くすためのハードルがとにかく高い作品でもあると感じました。

まとめ

あすか

いかがだったでしょうか!

終わってみれば、本当にすごいゲームでした。受けたストレスも大きかったですが、最終的にはその苦労に見合うだけの体験をしっかり得られたと思います。

むしろストレスが大きかったからこそのカタルシスなのかも

ただし、何度も述べてきたように真エンドまでクリアできるかどうかで評価が大きく変わる作品だとも思います。これからプレイする人には、ぜひ諦めず真エンドまで挑んでほしいです。

第3章以降に登場するボスは確かに強敵揃いですが、それは雑魚の取り巻きでイライラさせるタイプではなく、真正面から1対1で挑んでくる“純粋な強さ”です。

だからこそ、トライ&エラーを繰り返しても苦にならない、むしろ挑戦が楽しいと思えるバランスになっています。

もしシリーズ未経験で気になっている人がいれば、まずは前作『ホロウナイト』から遊ぶことを強くおすすめします。難易度も本作ほど苛烈ではありませんし、ベースのシステムはほぼ同じなので、前作が肌に合わなければ、今作も間違いなく合わないでしょう。

しかし、もし前作を楽しめたのなら、ぜひ本作にも挑戦して、真エンドまでの道のりを歩んでほしいと、いちアクションゲーマーとして強く願います!

あすか

ではまた、あすかでした〜!

おまけ

擬人化ホーネットあすかVer. 正直かわいくはない

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