
こんにちは、あすかです!
今回は私が今年もっとも期待していたと言っても過言ではない『モンスターハンターワイルズ』のレビューと感想をつらつら書いていこうと思います。
まず結論から言うと、残念ながら私が求めていたモンハンではない作品でした。。

よく言われているようなUI周りが使い辛いだとか、ストーリーのテンポが悪いなどの不満も勿論ありますが、それ以前に本作はモンハンの根源的な面白さが損なわれているように思います。
私は初代からモンハンをずっと追い続けている懐古主義者に近いので、かなり感性が古いことは自覚しています。そのため、今回は老人ハンターの昔はよかった話ぐらいに軽く聞き流してくださいという予防線も貼っておきます。
決してゲームがつまらなかったというわけではなく、モンスタハンターの新作としてはどうなのかという話がメインです。

上位ストーリークリアぐらいの感想なのであしからず。
あすかの総合評価 | |
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満足度:62点 | |
ストーリー・キャラ | |
世界観・デザイン | |
システム・UI | |
サウンド・BGM | |
グラフィック | |
ボリューム・やりこみ | |
プレイハード | PS5Pro |
クリア時間 | 30時間 |
作品概要

メーカー | CAPCOM |
発売日 | 2025年2月28日 |
価格 | ¥9,990円 |
ジャンル | ハンティングアクション |
対応機種 | PlayStation®5 / Steam / Xbox Series X|S |
今更説明不要な国民的狩りゲー『モンスターハンター』シリーズの完全新作です。初代モンハンが発売したのが2004年とシリーズは20年以上の歴史があります。

そんな長い歴史の中でモンハンシリーズは大きく2つの路線に分かれました。
スタイリッシュな動きでひたすら狩りに特化したライズ路線と、どっしりとした重厚感のある動きのリアル志向なワールド路線です。
本作はそんなワールド路線の完全新作となっています。

待望のワールド路線の最新作!
そりゃあ期待も膨らむってもんですな〜。
新たに追加された爽快なアクション
まず今作で新しく追加されたアクション『集中モード』と『傷口破壊システム』はとてもよかったです。
集中モードは最初こそ操作に戸惑いましたが、慣れてくると快適そのもの。私は片手剣メインなのですが、方向転換できない攻撃(ジャストラッシュ等)をスカることがなくなり非常にストレスフリーになりました。

傷口破壊システムも直感的で分かりやすく、適当に攻撃しているだけでもモンスターが傷だらけになり、大ダメージ&ダウンが簡単に取れるので、初心者にも優しい爽快感のある良いシステムだと思いました。

傷口破壊マナーとかいうくそマナーが爆誕していましたが、アレなんだったんでしょうね…。
グラフィックも超絶美麗とまではいきませんが、PS5やXBOX S/Xなどの最新機種のみの対応のため、自然の美しさやモンスターのグラフィックなどは過去最高の美麗さやリアル感が出ています。

失われてしまったモンハンの中毒性
いきなりですが、私はモンハンの根源的な面白さは『繰り返しの中毒性』にあると思っています。
昔のモンハンは大型モンスターを倒すのに当たり前のように30〜40分とかかっていました。クエストによっては時間切れで失敗することもザラで、その悔しさや虚しさを経験したハンターも多いと思います。

そんな過酷な狩猟環境だったからこそ、ハンターは少しでも効率よくモンスターを狩猟するために、より良い装備を求め、狩猟スキルを磨いてきました。
リオレウスが倒せなければ落とし穴や閃光玉、大樽爆弾とアイテムをフル活用して全力で挑み、テオテスカトルが倒せなければ火耐性の装備を身に纏い、氷属性の武器を手に取ったのです。

その氷武器を作るためにまた別モンスターを周回する必要があって、そのために今度は雷武器が必要になったりね。
そんな『強敵に立ち向かうまでの準備』自体が楽しさに直結していたのが、私の思うモンスターハンターの面白さです。

ところが今作ではその楽しさがほぼ失われてしまっており、理由としては大きく2つあります。
①モンスターが弱い(=ハンターが強い)
発売前レビューでも指摘されていた低難易度化ですが、実際ストーリークリアだけなら過去作の中でも一番簡単だったように思います。

私は特別プレイングが上手いわけではありませんが、上位ストーリークリアまでの約25時間で3乙どころか1回も死にませんでした。
装備はストーリーの流れに沿って倒したモンスターから作れるものを使用し、スキルなどはほとんど考慮せず適当に組み合わせていました。武器についても、その時点で作成可能な各属性の武器を使っていた程度でしたが、手癖でガチャガチャと戦っているだけで、ほとんどのモンスターは10分前後で倒すことができていました。

腕自慢とかじゃなくて経験者ならほとんどそうだったと思います。
かつてのモンハンでは順調に物語を進めていても、リオレウスやクシャルダオラ、ティガレックス、ジンオウガといった強敵たちが壁のように立ちはだかり、新米ハンターに試練を与えてきました。

初心者はまずそこで初めての挫折を味わい、その壁を乗り越えるために「使えるアイテムはないか、どの属性武器で挑むべきか、防具はもっと強化した方がいいのか」と、試行錯誤を始めるのです。
しかし今作にはそんな初心者から中級者へのステップアップの為の「立ちはだかる壁」となる強敵そのものが存在していません。
つまり、私が感じている一つ目の問題点は、『強敵に立ち向かうまでの準備』という狩猟の醍醐味において、そもそも立ち向かうべき強敵が欠如しているという点です。

2乙残り針5分でようやくモンスターが足を引き摺った時のあの興奮と達成感は失われてしまった。
②装備が簡単に作れすぎてしまう
これは『準備』の部分に当たります。
今作では装備作成に要求される素材が過去作に比べかなり少なく、頭から脚までシリーズ装備を作成しようと思ったら、同じモンスターと3回ぐらい戦えば全て揃えることができるぐらいに装備の作成ハードルが低いです。

ただでさえ素材要求数が少ないにも関わらず今作では傷口を破壊するたびにボロボロと素材を落とします。これがさらに装備の作りやすさに拍車をかけています。(このシステム自体は普通にいいと思いますが)
またモンハンの名物でもある逆鱗や宝玉などのレア素材。かつてはこの1つの素材を求めて半日同じモンスターを狩り続けるような日もありました。しかし本作ではこのレア素材が確定で手に入るクエストさえ用意されています。

そのため、2%,3%の激レア素材を手に入れた時に脳汁が出るようなハクスラ的な楽しさは一切失われてしまい、後にはただ効率という2文字が残るだけに。
この『強敵』と『準備の手間』2つの欠如により私が何を思ったかというと..
….
……..

装備作る必要なくね?
そう、ほとんどのモンスターが適当な装備で10分前後で倒せる上に、レア素材も確定クエストがあるので、同じモンスターを何度も周回する必要が全くないのです。
従来は倒したい,周回したいと思うモンスターが生まれ、それに対しそのモンスター用の装備を作り狩猟を効率化させるという流れだったのが、最初からゲーム側に効率化の手段がお膳立てされています。

何回でも言いますが従来は『強敵にぶつかる→効率よく倒すために強い装備を作りたい!→装備を作るためにまた別のモンスターを倒す』という繰り返しの中毒性が楽しさに繋がっていました。
それが、今作では狩りの最大のモチベーションでもある『装備を作りたい!』という気持ちが全く湧いてこないんですよ。
強敵!装備作成!クエスト周回!というこんがり肉のように原始的で中毒性のあった面白さは、効率や快適性という甘々な調味料によってナニカ違う料理になってしまった、というのがワイルズにおける私の印象です。

上等な料理にハチミツをブチまけるがごとき思想!!!
かつては、泥臭くも“狩猟ライフ”としての魅力にあふれていたモンスターハンターシリーズ
たしかにアクションは爽快でゲームとしては面白いのですが、このままではよくある「グラフィックが綺麗な良作アクションゲーム」止まりの凡庸なシリーズとなってしまうのではないか、と危惧するのは私だけでしょうか。
見辛い、使い辛いUI
前項で私が吐き出したかった感情は概ね吐き出せたので後は軽く流していきますが、今作とにかくUIがひどいです。

もうね。どこがとかのレベルではなく全部わかり辛いっす。
立体的でごちゃごちゃしたマップは視認性最悪で、ユーザにマップを覚えさせようという気を全く感じられません。セクレトのオート機能があるから迷うことはないは言え、それならばそもそもこんなに広大なオープンフィールドにする必要はあったのでしょうか。

広大なマップを用意したのにも関わらず、戦わされる場所はやたら狭いエリアが多く、大型モンスターが移動したら結局セクレトに乗ってオート移動するだけ。何のためにこんなに広大なフィールドを用意したのか分かりません。
また、アイテムポーチ画面も横一列に並んでいて一目で視認しづらく、アイテムボックスもテント内でしか使えない謎仕様。過去作のアイテムボックス画面を見るとどれだけ分かりやすく使いやすいかしみじみと実感します。

総じて言えるのは全体的に一画面に広く情報を詰め込みすぎて、パッと見で理解することが困難な設計になっています。
他にも装備スキルが1ボタンで確認できないとか、セクレトがアホすぎるとか、UI周りに関しては細かく話していくとキリがないのでもう止めます。

とりあえず全部見づらいんじゃ!以上。
ストーリーの中身はいいが見せ方が悪い
今作の批判点としてよく挙げられるのが『セクレトに乗ってダラダラ歩く時間が長い』という点があります。

その通りとしか言えない・・・。
これが苦痛でゲームを止めてしまった知り合いが2人います。
ただストーリーの中身自体は、ハンターがモンスターを狩る理由について深掘りされていて中々良かったですね。
今までは新米ハンターの成長物語といったものでしたが、今作では初めからベテランハンターとして周りから信頼されており、生態系や命のあり方などをテーマにした深い物語はモンハンシリーズとしては新鮮でした。

が、私はそもそもモンハンにそんな高尚なストーリーは不要だと思っています。さらに言えばモンハンに考えさせられるような説教臭いストーリーなんて1ミリも求めていません。

「凶暴なモンスターが現れた!助けてー!」ぐらいで十分なんよ。
ナタくんが悪いわけではないのですが、ウジウジウジウジ悩む人間模様なんてFFやテイルズの主人公にやらせておけばいいんです。いいから早く狩らせろ。
また、ストーリーも見せ方があまりに冗長的に感じます。前述したモンスターが弱すぎる点も相まり、「長々ムービーを見せられる→10分弱で倒す→またムービーや移動」という構成になっているので、下位ストーリークリアまでは狩り以外の時間の方が長いんじゃないかと感じるレベルでした。
まとめ

いかがだったでしょうか!
たくさん不満書いておいてアレですけど、ただのアクションゲームとしては一級品だとは思っています。あくまで「モンハンシリーズの最新作としてはどうなの」と個人的に強く感じてしまった作品でした。

ただこれだけ文句言いながらも、現代に合わせたモンハンとしてはこれが正解なのかもしれません。
装備が簡単に作れることは、それだけたくさんの武器に触れる機会が増えることに繋がっていますし、1体1体のモンスターにかける時間が短くなっているのも、この娯楽に溢れる現代では必然と言えます。

古参向けに昔のモンハンを再現しても、私みたいな一部の懐古ハンター以外にはウケないでしょう。。
巨大化していくシリーズの宿命として、海外勢や新規勢など幅広い層に合わせていくのは仕方のないことかもしれませんが、シンプルな中毒性があった従来の作りの方が私は好きでした。
長々と愚痴りましたが、最後に初代モンスターハンターのキャッチコピー/リード文を紹介して終わります。
狩るか、狩られるか。
人間とモンスターが共存する壮大な世界。この地で生きるモンスターたちは、複雑な生態系の中で生を受け、命を育み、そして散ってゆく。ハンターたちは、依頼を元にモンスターが生息する危険な地へと赴き、採集や狩猟を行う。持ち帰った資源を糧に武器や防具、アイテムを作り、新たなフィールドやさらに獰猛強大なモンスターに挑む。

これくらいシンプルでいいのよ。。
ではまた、あすかでした〜。
おまけ
今回生成した画像。ジンオウガ防具にレイア弓?どこかに怒られそうなレベルでクオリティ高いですね…。
