
こんにちは、あすかです!
今回は先日クリアした『伊達鍵は眠らない – From AI:ソムニウムファイル』の感想およびレビューになります。
まず率直な感想ですが、わたしが『AI:ソムニウムファイル』シリーズに期待していた要素をギュウギュウに詰め込んで特盛にしたパフェみたいな作品でした。つまり、文句なしに満足です!

AIソムニウムシリーズといえば、緻密に作り込まれたシナリオと、“いい意味で”くだらないギャグが交互に織りなす唯一無二の魅力がありますが、本作はその後者の比重がかなり大きくなっています。
私はそのくだらない部分が大好きなので、非常に楽しめましたが、逆にAIシリーズ特有の下ネタや親父ギャグが苦手な方には少々厳しいかもしれません。
また、メインシナリオについても、今回はスピンオフ作品ということもあり、過去作の壮大な事件と比べるとかなりスケールが小さめで、物語的なカタルシスや衝撃度も控えめになっています。
個人的には本作はミステリーとして楽しむよりも、伊達やアイボゥたちの笑える掛け合い、キャラクター同士の会話を中心に楽しむ、いわゆる「ファンディスク」的な作品という印象が強かったです。

エロ本界王拳や熱海ネタ、鑑識のなんとかさんなど、シリーズお馴染みのネタはこれでもかというほどに詰め込まれています!
あすかの総合評価 | |
---|---|
満足度:82点 | |
ストーリー・キャラ | |
世界観・デザイン | |
システム・UI | |
サウンド・BGM | |
グラフィック | |
ボリューム・やりこみ | |
プレイハード | Switch2 |
クリア時間 | 10時間 |
作品概要

メーカー | スパイク・チュンソフト |
発売日 | 2025年7月25日 |
ジャンル | 脱出×推理アドベンチャー |
対応機種 | Nintendo Switch / Steam |
AIソムニウムシリーズのスピンオフ作品で、時系列としては前作「AI:ソムニウムファイル」と続編「AI:ソムニウムファイル ニルヴァーナ」の間に位置します。具体的に言うと1作目の直後ぐらいのお話。

主人公「伊達 鍵」と眼球型AI「アイボゥ」のコンビが、危険な脱出ゲームに参加させられたネットアイドルの「イリス」を救うため、謎の脱出ゲーム「The Third Eye Game」に巻き込まれるところから始まります。

今作では、前作までにあった聞き込みや調査を行う「捜査パート」、被験者の夢の世界に入り捜査する「ソムニウムパート」に加え、密室に仕掛けられたギミックを解いていく「脱出パート」が新たに登場しています。
脱出パートは新要素だけあり、中々凝った作りになっており、本格的な脱出ゲームとして楽しむことができます。プレイヤーはこれら3つのパートを行き交い、事件の真相に迫っていきます。

ただし、本作はあくまでスピンオフのため、本編シリーズと比較するとゲームボリュームは控えめです。私自身、ボイスを最後まで聞かないプレイスタイルで、クリアまで約9時間程度でした。
注意点として、本作は前作までのプレイを前提とした設計になっており、登場人物や専門用語の補足はほぼありません。

最初から様々なキャラクター同士が親しい状態で始まるため、今までのシリーズをプレイ済みの私でさえ、このキャラどんな人だっけ?と戸惑うほどだったので、シリーズ未経験の方が本作からプレイを開始するのはやめた方がいいと思います。

過去作は頻繁にセールでワンコインレベルまで値下げするので、シリーズ未プレイの方はセールを狙って事前にプレイすることを強くオススメします。
個人的には一作目のストーリーを細部まで覚えていなかったので、軽くあらすじ程度だけでもいいから紹介して欲しかった感はあります。
AIらしさ全開のギャグのオンパレード
本作の最も魅力的なポイントです。

従来の作品をプレイしていた人ならご存知かと思いますが、AIソムニウムシリーズといえば、伊達鍵のくっそ寒い下ネタや、アイボゥのシュールなネタ、さらには熱海エンドなど、一見クドすぎるほどのユニークなギャグパートが大きな魅力になっています。

概要でも述べた通り、本作ではそのギャグ要素が前面に押し出されており、過去作で特徴的だった凄惨な事件や身体が真っ二つになるようなショッキングな描写はありません。
その代わりとばかりに、従来以上にそこかしこに小ネタやパロディ、シュールなギャグネタが盛り込まれており、プレイ中はずっと笑ってました。


鑑識さんと熱海の夢コラボ!一体なにが夢なのかはシリーズ経験者じゃないと絶対に理解できないw
とくに調査パートでは細かい部分のひとつひとつのインタラクトにまでフルボイスで小ネタが仕込まれているので、それらを探すだけでも面白かったです。
従来のようなハラハラする緊張感や怒涛の伏線回収のようなカタルシスは控えめですが、逆に言えば安心してギャグを楽しむことができる、安定感のある作りになっています。


さらに、クリア後にはソムニウムパートで手に入れることができる「隠しメダマ」を使ったコンテンツ解放が用意されており、解放されるコンテンツの中には「かまいたちの夜」を彷彿とさせるテキストベースのオマージュ作品や、サイドキャラクターにスポットを当てたサイドストーリーなども用意されています。


これらもすべてフルボイスで楽しめ、笑いどころ満載の非常に充実した内容となっていました。
しっかりと作り込まれた脱出ゲーム
本作から新たに追加された脱出ゲームパートですが、メイン要素として十分に成立するほど丁寧に作り込まれていました。

脱出ゲームのステージ自体の数は少ないですが、それぞれの難易度はそれなりに高く、しっかりと頭を使わせる謎解きが多数用意されています。

15分ぐらいウンウン唸ってしまった謎も
また、この脱出パートでは従来の調査パートやソムニウムパートと異なり、主人公の伊達以外のキャラクターも操作できます。

ステージによっては応太や猛馬と協力しながら、交互に操作キャラを切り替えつつ謎を解いていくという形式が取られており、キャラクター同士の掛け合いや協力する場面などが非常に面白く、キャラの個性を楽しむ要素としても魅力的でした。

難易度設定は3段階あり、私はスタンダードでクリアしましたが、難しい場合はいつでも難易度を下げることができるため、脱出ゲームが苦手な方でも安心して挑戦することができます。
まとめ

いかがだったでしょうか!
ゲーム自体のボリュームが控えめなため、レビューとして書けることは少なかったですが、短い内容の割に濃ゆい内容で、AIシリーズ新作を存分に堪能できました!

直前のプレイで『ファタモルガーナの館』という悲劇と絶望に満ちたテキストアドベンチャーをプレイしていたこともあって、このギャグ全開の世界観にはとても笑わせてもらうとともに癒されました。
今回はシリーズの中心的存在である打越鋼太郎氏がメインで手掛けた作品ではないため、打越氏特有の驚きの仕掛けや衝撃的な展開はありませんでしたが、AIのギャグパートが好きな人であれば間違いなく満足できる作品だと思います。
やり込み要素を含めても15時間程度で全てのコンテンツを楽しめるお手軽ボリュームなので、大作ゲームを遊び終えて息抜きが欲しい人などは、プレイしてみてはいかがでしょうか。

ではまた!あすかでした〜!
コメント【承認制】