大人になって遊ぶFFTリマスターは深かった。でも少しだけ寂しさも…。

あすか公

こんにちは、あすかです。

今回は先日クリアした『ファイナルファンタジータクティクス – イヴァリース クロニクルズ』の、感想およびレビューになります。

まず率直な感想。うん、やっぱりFFTは面白い!

特に一番感動したのは、やはりフルボイス化

私自身、当時プレイしていたのはキッズ時代で、原作は“無表情の顔グラ+テキストのみ”というクラシックな作りだったので、キャラの感情までは正直掴みにくかったんですよね。

セリフや展開は熱くとも、その熱量とか温度感がどうしても伝わりづらくて。

それが今回、フルボイスで一気に開花した感じです。「こんなに熱い物語だったんだ」と、昔の自分では拾いきれなかった想いがちゃんと届いてきました。

システム面も現代向けにしっかり手が入り、ストレスなく遊べるよう進化しており、当時のFFTを壊さないまま、ちゃんと正統リマスターとして作り直してくれていた印象です。

その一方で、新規要素は控えめなので、良くも悪くも“30年近く前のゲームだな”という部分もやっぱり出てきます。なので個人的には、懐かしさと共にもう一度FFTを味わえた良作、という評価になりますね。

あすか

ただ、FFT未プレイの人には素直にオススメできます。
特にFF好きなら一度は触れておくべきタイトルだと思います!

あすかの総合評価
満足度:80
プレイハードSwitch2
クリア時間20時間

本記事ではゲーム内のスクショを含みます。(ネタバレはありません。)

目次

作品概要

開発スクウェア・エニックス
発売日2025年9月30日
ジャンルシミュレーションRPG

1997年に発売された初代『ファイナルファンタジータクティクス』をベースにしたリマスター作品です。

2007年にPSP向けに、新ジョブや追加イベントを盛り込んだ『ファイナルファンタジータクティクス 獅子戦争』というリメイク版も出ていますが、今作はあくまでPS版原作のリマスターです。

PSPの名作『FFT 獅子戦争』

そのため、暗黒騎士たまねぎ剣士といった獅子戦争からの追加要素は今回は未収録となっています。

今回の原作からの主な変更点としては、

  • 大幅に加筆されたシナリオ(脚本・松野氏いわく60%増し)
  • バトルスピードの早送り機能
  • 行動順が分かるタイムライン機能
  • 3段階の難易度設定
  • そして全編フルボイス化

など、原作の魅力を壊さない範囲で現代向けにしっかり手が入っています。

さらに今作は、さまざまな新要素が入ったエンハンスド版とは別に、当時のPS版をそのまま遊べる「クラシックモード」も収録。

これはシステム的な追加要素は一切なく、文字通り原作をそのまま味わえるモードになっています。

感情移入しやすくなったフルボイス化

冒頭でも述べた通り、私が一番感動したのはフルボイス化でした。

私は原作を何周もしていたわけではなく、ストーリーはわりとうろ覚えの状態だったのですが、当時のFFTって登場人物がみんなクールで淡々としたイメージだったんですよね。なにせ顔グラがみんな真顔ですから。

表情とセリフに温度差を感じる

しかし本作のフルボイス化によりキャラに対する感じ方が一変

ラムザは、勝手にクールボーイだと思っていたのに、実際はチャプター1の時点で、青臭い理想をまっすぐ語る青年らしさがめちゃくちゃ出ていて、「こんな熱い子だったんだ…!」と新鮮でした。

あすか

やはり無表情+テキストのみ声優の熱量たっぷりの叫びでは、受ける印象も全然違いますね。

ラムザ以外も、アルガスはボイスのおかげで憎さ300%増し、ガフガリオンは小悪党感がこれでもかと溢れ出ていて、どのキャラもより生きているように感じられました。

未プレイの人も聞いたことがあるであろう名セリフ

そしてFFTといえば、魔法やアビリティ使用時の詠唱

あの厨二病心を揺さぶってくる詠唱がフルボイスになっているのも、原作ファンとしては嬉しいポイントです。

子供の頃、私も真似していたセリフを、プロの声優さんが本気で読み上げてくれるのだから……それだけでも聴く価値ありです。

ただし!!

ひとつだけ、本気で残念だったのがモブキャラの詠唱が削除されてしまったこと

フルボイス詠唱が追加されたのは固有キャラだけで、モブにはありません。

それだけならまだしも、なぜかリマスター版では詠唱テキストそのものがカットされてしまっていて、固有キャラを使わないと詠唱自体を楽しめない仕様に…。

あすか

ボイスなしでもいいから、せめてテキストだけでも残してほしかったですね。ここは本当に惜しいポイントです。

他に、今回良いなと思ったのがブレイブストーリーの実装。

FF16のアクティブタイムロアのように、キャラクターの背景や関係性、出来事を整理して読める機能なのですが、登場人物が多く人間関係も複雑なFFTにおいて、これがかなりありがたかったです。

キッズ当時は「なんかよく分からないけど面白い!」みたいな勢いだけで遊んでいて、正直 “誰が誰で、どういう思惑があるのか” なんて全ては理解しきれていませんでした。

でも大人になった今、ブレイブストーリーをちょこちょこ確認しながら進めることで、物語の裏側やキャラ同士の立ち位置がはっきり掴めるようになって、FFTってこんなに丁寧に作られてたんだと改めて感じられました。

現在どの聖石を誰が所持しているかなども一目で

一方で、ネットでは「セリフに”──”が多すぎて、まるでファブルだ」と揶揄されることもありますが、個人的にはそこまで気にならず。

確かに一部「これは…流石に多いな?」という箇所もありましたが、全体として見ると騒ぐほどではないかな、という印象です。

それと、原作からのセリフ改変もそこそこあり、ここは原作ファンほど賛否が分かれそうです。

私は原作の細かいセリフを一つ一つ完璧に覚えているタイプではなかったので、特に違和感はありませんでしたが、「その言い回しは解釈違い」という声も見かけました。

60%増しと言うだけありますね

ここはもう、本作を実際に自分で触ってみてどう感じるか、というポイントになりそうです。

非常に快適に遊びやすくなったシステム

正直、エンハンスド版の快適さに慣れてしまうと、もう原作の仕様には戻れません。

まず何よりも戦闘の早送り機能

ボタンを押している間だけ倍速になる仕様なのですが、これが想像以上に快適で、もはやこれなしで遊ぶのは考えられません。

他に戦闘面だと、タイムライン表示移動キャンセルの追加もかなり大きい改善点。

FFTのアビリティはチャージや詠唱など、発動までのタイムラグがあるものが多く、原作では当たるかどうか当てずっぽうな面がありましたが、今作では行動順がタイムラインにより可視化されているので、より戦略的に判断できるようになっています。

移動キャンセルもめちゃくちゃ便利で、移動したのに攻撃が届かないみたいな悲しい事故が完全にゼロに。今ではタクティカルSRPGにはマストな機能です。

さらに細かいところでは、フィールドでのエンカウントをキャンセルできるようになり、無駄な戦闘が発生しなくなったのも快適ポイント。ちょっと道具屋に寄りたいだけなのに戦闘が始まる、みたいなこともなくなりました。

儲け話もさっくりクリア可能に

総じて、当時は受け入れていた“今遊ぶと古い仕様”が全部きれいにブラッシュアップされ、現代向けにストレスなく遊べる形へと洗練されています。

あすか

「リマスターとして欲しいところ全部入ってる」と言い切っていい完成度です。

あくまで”リマスター”作品ということ

ここは勘違いしやすいポイントですが、本作はリメイクではなくリマスターなんですよね。

何が言いたいかというと、フルボイス化によって物語の没入感は大幅に増し、ゲームシステムも原作と比べてかなり遊びやすくなりました。

ジョブもとても分かりやすく

ただ、それらはあくまでサブ的な改良で、遊びの軸となる新しい面白さが追加されているわけではありません。

例えば、PSPの『獅子戦争』で追加された暗黒騎士やたまねぎ剣士といった新ジョブだったり、既存ジョブへの追加アビリティや新モンスター、新ダンジョンなど……そういった遊びを広げる方向の要素は一切なし。

本作のベースは完全にオリジナルのFFTです。

各ジョブに数個でいいから新アビリティ欲しかった

これは購入前から分かっていたこととはいえ、やっぱり30年近く前のゲームなので、今あらためて遊ぶとどうしても物足りない部分は出てくるな、というのが正直なところ。

戦闘システムもガワは現代向けに改善されていますが、内部のバランスはほぼそのまま。

忍者の二刀流算術が相変わらず最強だったり、オルランドゥがぶっ壊れ性能だったりと、当時の攻略法が普通に通用します。

あの頃のFFTとしては正しいのだけれど、欲を言えば、もう少しシステム面で新要素があると嬉しかったな、と感じました。

…とはいえ、ソレを実行したタクティクスオウガリボーンはバチクソに叩かれたので、本当に難しいバランスなんですよね。

レベルキャップとかタロットシステムとか

個人的には、根本を変えるところまでいかなくてよくて、既存ジョブに新アビリティを少し追加して、ビルドの選択肢がちょっと増えるくらいの変化でも十分に嬉しかったと思います。

そのくらいの遊びの幅があるだけでただのリマスター以上のワクワクが生まれただろうなと感じました。

まとめ

あすか公

いかがだったでしょうか!

期待通りに面白かったけど、期待を大きく超えてくるわけではなかった──というのが正直な感想です。

ただ、FFTは私にとって思い入れの強い作品で、ゲーム音楽にハマるきっかけにもなったタイトルなんですよね(そのあたりはこちらの記事でも語っています)。

今回も相変わらずBGMは素晴らしかったですが、これも原作音源そのままで、再録やアレンジはなし。

もちろん原曲が神がかっているのは百も承知なんですが、せっかくなら現代のフルオーケストラで豪華に録り直したバージョンなども、もしあったらぜひ聴いてみたかったな〜という気持ちもあります。

とはいえ、2025年の今、最新機種(Switch2)でFFTを快適に遊べる というだけで感無量。ここまで語ってきた不満点も、ある意味ではFFTが好きだからこその欲張りなのかなとも思います。本当に感謝。

FFとしても、シミュレーションRPGとしても、今遊んでも全く色褪せない名作なので、未プレイの人にはぜひ触れてみてほしい作品です!

あすか

ではまた。あすかでした〜!

おまけ

西洋風女剣士あすかちゃん

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